共通一次、センター試験(英語)が果たした役割

 

大学共通第1次学力試験(共通一次)は、1979年から1989年の11年11回、大学入学者選抜大学入試センター試験(センター試験)が1990年~2020年までの30年間行われ、そのすべてに英語学習指導する側で関わってきました[『驢馬小屋塾』は、1976年創設]。

 

英語の基礎力テストとして、様々な批判はあるものの、ここ10年、それなりに「完成」をみたように思っています。2006年以降にリスニングテストが始まりました。

 

この英語の試験を通して、「訳さない」「構文分析(なるもの)の排除」「役に立たない文法に学習時間を割かない」などの点で、指導する側(当方)にもそれなりのメリットがありました。

もちろん、世の中(学校など)はこの試験を利用することなく、訳、構文、文法に縛られた「学習」を子供たちに強いてきたのは事実です。生徒たちは自分たちでは訳さずに訳を配られる、とか、教師が授業を「(授業の進行や指示は)英語でやる」ものの訳が配られる、などという信じられない指導がまかり通っています。

 

しかし、こんな指導に毒されてしまった生徒たちも、センター入試の英文に取り組むことで[当塾のメソッドで]、「訳」の癖をとり、まともに英語が読め、聞けるようになるリハビリに利用できた、とも言えるかもしれません。こうしてある程度まともな英語の読み方ができるようになって、二次試験に備えられるようになりました。

 

英文の読み(聞き取ることでも)は、訳を介在すのではなく、内容を英語のまま読み・聞き取る以外、他に方法はありません。

 

もちろん、それにはそれないの訓練が必要です。

 

   A couple of weeks ago, I was hiking with my dog on a mountain ...

   ....

 

   Ever since that day, I had a strange feeling.

    [2020年センター試験・第5問の冒頭二段落の始め]

 

これですが、2文目のstrange feelingとはどんなfeelingなのでしょうか?これなどある意味文全体から読む取るべき「感情」なのではないでしょうか?ここでは、具体的にどんな気持ちとして捉えていいのか分からないのです。訳しながらでは絶対にわからないでしょう。平易だけれども、こういうところをきっちり読む姿勢を身につけることで、それなりのレベルの英文も自信を持って取り組めるようになります。

 

当驢馬小屋塾のリーディング・メソッドは、こうした英文を心で読む、あるいは筆者の心情、主張をしっかり受け止めて、読めるようにする様々な方法を訓練してゆきます。

 

 

ところで、今回のセンター試験の英語は「難化した」という人もいます。それほど難しいようには思いませんが、他の受験生、指導者がそう思うような英文も、当方のメソッドを習得しいれば、むしろはっきりと読み取れたはずです。例えば、第3問A問2,第5問2などです。

 

 

今回で、センター入試は最後になりました。来年からは「新テスト」と呼ばれる物が始まるようです。試行テストの問題を見る限り、出題側はまだまだ手さくり状態です。

しかし、英語力がしっかりしていれば、どんな試験でも対応可能です。

 

 

最後に懸念を1つ。来年度は見送られた外部英語検定の導入です。これは、ライティング、スピーキングに関しては、まったく認められない、認めるべきではない代物です。英検、あるいはGTECのレベル、判定がいかにひどいものか!!

このあたりに対する徹底した批判が出来きない学校の教師、「英語教育学者」(まともな奴はいない)!

 

世の中のこうしたふざけたあり方に振り回されることなく、しっかりした英語力を身につけてゆきたいものです。