英語の教科書の進化

数年前から文部省検定教科書が変化しています。

これまで、「文法」「読解」を乗り越える方向性が脆弱でしたが、ここに来て大きく良い方向に変化しています。

例えば、これまではそのレッスンである文法事項を学ぶ場合には、それに合わせて英文が作られていました。しかし、まずできるだけ自然な英文を提示するようになりました。例えば、中学生が「現在進行形」を学ぶ場合、「進行中の動作」を表現する、といった紋切り型の説明は通用しなくなりました。"I'm coming." "My mouth is watering" "We will be soon taking of."(まだ、未来の進行形は学んでいない段階での、Listeningのセクションで出てくる)などなど。進行形の自然な表現が出てきます。

また、今年度「共通テスト」では、"He is being kind."とbe動詞が進行形で使われています。これなどは、小説や映画などでは当たり前に出てきますが、「進行中の動作」は説明できません。

さらに、canの過去形としてcouldが出てきますが、過去形でも「過去」を表すのではなく、Could you ... ?という文章で、まず出てきます。これは「仮定法」ですが、一般的な高校生のほとんどは、couldが出てくると「出来た」と「訳します」。中学時代の誤った知識が染みついているのです。

四半世紀前に使われた英文を中心に例文がとられている「受験参考・問題集」では、今の入試問題は対応できません。古い格調の高い英文を読むことも大切です。しかし、最新の英文に触れてこそ、古い英文の理解も深まるものです。

4~5年前以降に出題された出題英文を踏まえつつ、最新の英文、英文記事を読み込むことで、しっかりした英語力を身につけたいものです。